輸入住宅とは?工法の違いは?特徴解説

広い庭のある三角屋根の一軒家

輸入住宅という言葉は、海外の設計思想に基づいた家を、日本など他の国々で同じように建てた住宅の総称として使われています。輸入住宅はヨーロッパの北欧スタイルおよび北米スタイルの2つに分けられ、無垢の床材に木の風合いを活かしたモールディングや、素材そのものの質感をとても大切にしているデザインが特徴です。カナダやスウェーデンなどの街並みを写真や動画などで見た際、それがとても素敵に感じられるので輸入住宅を利用して注文住宅の家づくりを検討される人も多いのではないでしょうか。
また北欧風や南欧風、北米風などといった言葉は家のイメージに繋がる要素であり、住宅展示場の中でも輸入住宅が人気を集めている理由の一つです。

日本の住宅は古くからの木造軸組み方法が主体になっていますが、これは梁および柱、筋交いなどで構成される工法であり、北米や北欧スタイルなどとは全く異なる工法です。具体的には、北米の場合は面同士を合わせる工法のツーバイフォー住宅が主流となっており、角材と合板を接合して面を作ってから組み合わせ、壁を構成して家を建てるスタイルが多い傾向にあります。また北欧の場合はパネル工法が主流であり、事前に床や壁などのパネルを工場で生産した後、建築現場に持ち込んで組み合わせる方法が一般的です。このように、北米と北欧でも違いが存在していることが分かるのではないでしょうか。

なお北欧のパネル工法の場合は、パネル6枚(壁4枚と床および天井が2枚)を合わせると6面体の家ができることから、モノコック構造と呼ばれています。モノコック構造は、屋根や壁、床などすべての部分を面で支えていることため、外力にとても強くねじれや変形が起こりにくい構造です。モノコック構造やツーバイフォー住宅は、耐久性がとても高いことに加えて地震の揺れにも強い特徴があることから、注文住宅の構造の良さを体現しています。さらに、ツーバイフォー住宅やモノコック構造は、いずれもパネル化されたものが建築現場に搬入され組み立てられるスタイルなので、日本の木造軸組み工法と比較すると工期が短くなるのが特徴です。

しかし、住宅に利用する木材や設備などは、資材別もしくは住宅によっては家まるごとパッケージというような方法で北米や北欧などの現地から輸入されることがあるので、輸送に要する日数はある程度考慮しておく必要があります。その反面、北欧・南欧・北米などから輸入した木材や建築材料で本場の家を建てることができる魅力は大きいと言えるでしょう。